貴金属の豆知識【金編】

こんにちは、theou（ザオウ）バロー高山店Hです。今回は貴金属の豆知識を紹介致します。

お買取をしている中で貴金属製品を見ない日は少なく、特に金製品の持込件数は当店の買取項目のダントツトップです。今回はそんな金の豆知識です。

・純金ジュエリーが少ない理由：当店でも持込件数の多い金製品の中でも特に多いのが指輪・ネックレス等のジュエリーで、更にK18の製品が圧倒的に多いのですが、純金（K24）を使ったジュエリーはあまり見かけません。純金の場合は小判や延べ板の持込が多く、ジュエリーであってもK24のコインをK18の枠で囲って（物によってはガラスでカバーして）ペンダントトップにしているか年代の古い指輪くらいの物で、ネックレスやブレスレット等ジュエリーでの持込はK18やその他の金種に比べるとかなり少ない状態です。純金ジュエリーが少ない理由はコストの部分もありますが、何より大きな理由は『金が柔らかいから』ということです。金属には展延性というものがあります。展性（広がる性質）も延性（伸びる性質）も金が1番高く、同じ貴金属の銀は金の次点、プラチナは延性こそ3番目ですが展性が高くないそうです。その性質から金は加工するには1番簡単とされていますが、柔らかすぎて傷付きやすく変形しやすい弱点があります。普段動かしたり身に付けない小判や置物ならともかく、身に付けるジュエリーが変形してキズだらけというのは作る方も付ける方も思うところがあるでしょう。そのため、ジュエリーには展延性が低いニッケルや銅を混ぜた『合金』を使うことが多いということです。

・金箔・金糸の重さ：上記の展延性を活かした金製品には『金箔』『金糸』があります。金箔はタンスや漆塗りの器等の装飾、金糸は着物や絹織物に編み込まれたりと、色々な場所で使用されています。特に金箔は食用やエステのパック等、使用用途も様々です。ではこの金箔や金糸、一般的に出回っている大きさや長さにはどの位の重量があると思いますか？実は金箔・金糸の重量は『ほぼ0グラム』なんです。金は1グラムで畳半畳以上に広がり、1グラムで最大3km近く伸びるそうです。その時の厚みは0.0001ミリだとか！これではある程度の大きさや長さがなければ計測不可能です。一般的に出回っている製品に重量が計測出来るほどの金箔・金糸を使用することはほとんど無いため、実質的に『金箔・金糸は金として価値が付けられない物』になっているのが現状です。価値としていえるなら、それは職人さんの技術に対する価値になります。

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