貴金属の豆知識【銀編】

こんにちは、theou（ザオウ）バロー高山店Hです。今回も貴金属の豆知識について紹介致します。今回は【銀編】です。

・銀食器が使用されてきた理由：オシャレで高価な食器のイメージが強い銀食器は、古代からも富裕層や支配層といった上流階級の間で広く用いられてきました。勿論純粋にデザインを楽しんだりステータスとしての意味合いもあったでしょうが、毒殺されることを防ぐ為に使用された大きな理由とされています。銀は貴金属の仲間である金・プラチナに比べると化学変化が起こりやすい性質で、特に硫黄化合物（主に硫化○○と付く物）やヒ素化合物が当たると一気に変色してしまう程に耐性が低い金属です。当時は前述2種を用いた毒が多かったようで、変色していれば毒入りの可能性があると分かると言われていたようです。ちなみに、誰かを招いて晩餐会を開く際にも銀食器が用いられ、これは「この料理には毒は無いので安心してください」という意味合いがあったそうです。

・元々は貴金属の頂点だった！：世界のどのような大会やコンクールでも1位が金・2位が銀と、【金の方が銀より価値が高い】というのが世界単位での常識となっていますが、元々はその価値が逆だったというのです。前回のプラチナ編で紹介した銀より価値の低い時代と金と銀の価値が逆だった時代はほぼ同じなので、実質貴金属の頂点だったことになります。何故かというと、当時は金を鉱石から取り出すより銀の方が手間だったからだとか。銀は鉛に混じっていることが多く、鉱石から鉛と銀を取り出して更に鉛を分離して・・・と、当時の技術を思えば確かに面倒な感じはあります。そこから何故現在の価格に落ち着いたかというと、16世紀にヨーロッパが『新大陸』と呼ばれていた南アメリカ大陸ーーーー特にメキシコやペルーに侵略した際に、大量の銀を含む鉱山を発見したことで生産量も数倍に膨れ上がり、世界中に多く出回ったことで銀の価値は大暴落・それに伴って当時の本位だった銀貨も価値が暴落した為、19世紀頃にイギリスが現在の金本位での制度に移行しました。それ以降、金と銀の価値が再び逆転することはありませんでした。

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